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06/07/14
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Maintenance of wood stove. Case of encore.

パーツ交換とカスタマイズ  (写真はクリックで拡大します)
天板とバックパネル(背面外板)を分解
天板の全部のセメントを叩く必要はなくて、正面と左右の一部に衝撃を与えて壊しておいて、あとは3本のボルトを外せば、天板は実にあっけないくらいの容易さで簡単に外れた。 耐火セメントの役目は鋳物の固定というよりも、むしろ気密性を保つためのもののような気がする。 ボクがやろうとしているのは、まさにこの耐火セメントをガスケットで代用してしまおうということだね。

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驚愕のピンホールで、気密性能アップのためのカスタマイズをすることにしたから、バックパネルも外さなければならないのだ。 どうすれば外れるものなのか上下左右眺めてみたけどボルトは1本も見当たらない! 両サイドのパネルはボトム(底板)にボルトで固定されているのに何で? (写真矢印) もしかすると・・・

チョットだけ力を入れて後ろに引っ張ってみる。 すると、ミシミシッという音とともに剥がれる気配、そのままもう少し力を加えてやるとゴロンってな感じでバックパネルは剥がれ落ちたのだ! 何ともこれまた呆気ない結末でさー ※コイツはかなり重いから気をつけて!
つまりは、ダンパーユニットを外した後は、耐火セメントだけで止まっていたことになる訳だね。 ダンパーユニットがサイドパネルのフックに引っかかる形で固定され、そのダンパーをバックパネルからボルトオンするという構造みたい。 ん〜、実にシンプルだね、でもこれシンプル過ぎない?(笑)
天板を外してダンパーユニットを外す作業の時はバックパネルを決して引っ張ってはならないのだ(笑) 本当はダンパーのボルトとは別に左右1箇所ずつ穴を開けて、ボルトを追加しておけば間違いないんだろうけれど、今回はハンマードリルがなくて断念!

バックパネルのガスケット化とダンパーユニット組込
マイナスドライバーとハンマーでセメントの除去をしてから、ワイヤーブラシで残ったセメントと錆を落としてから耐火セメントを塗るのだ。 使用したセメントはメタル用で、ガスケット用もあるけど今回は鋳物同士の接合もあるということでメタル用をチョイスした。 こちらの方がガスケット用よりも強力で併用できるからだね。

今回のように大量に使うときは、使い勝手もいいしお特用なので、コーキングガンタイプのセメントがオススメ!

※古いセメントの残骸や錆が多く残っていると、セメントの接着力が鈍るからシッカリ落としてから使用するのが良い。
ガスケット(グラスファイバーロープ)は切端がほつれ易いから、ボクの場合はガスケットボンドを数滴垂らしてやるのだ。 そうすればほつれがそれ以上酷くならないですむからね。

このガスケット化作業をバックパネル両サイドに施して、セメントだけによらず気密性を高めようということだね。 丁度サイドパネルの折返し(のりしろ)部分にこのガスケットが当たることになる(↑↓矢印)
※今回の使用ガスケットは、1/2サイズ (3/8でも良いかも)

バックパネルの両サイドにガスケットを接着したら、いよいよボトム(底板)にのせてサイドパネルと密着させるのだけれど、二次燃焼ボックスを入れ置き、ダンパーユニットを組込むまでを素早く行わなければならないのだ。 既に説明したとおりバックパネルの固定ボルトがダンパーと共用だから、ボトムやバックパネルに塗ったセメントが硬化しないうちにケリをつけなければならないからだ。

ボトムとの接着面にはセメントをビッシリ塗るのだ。
バックパネルを載せた時に、ジョイント部からセメントがはみ出すくらいにてんこ盛りだね。

この写真が分解前のてんこ盛りジョイント部
ここで部品の調達漏れが判明! ダンパーのアッセンブリーに含んでくれてはいなかったのだ。
ダンパーハンドルのスペーサーとワッシャーリングがないのだ! 仕方がないので古いものを流用することにする。
これは全く問題ないだろう。

スペーサーとワッシャーリングを組込んだところの写真。 内部から見た左下の写真だとまだ完全じゃない。 ワッシャーリングがサイドパネルにぴったり密着するまで、外側に押し出さなければならない。 右下の写真に見えるスペーサーが更に押し出されて、サイドパネル面よりも少し出っ張るようになるのが正しい位置だね。

白いセラミック二次燃焼ボックスを組込んだところ・・・
左写真はバックプレート左側の収まり具合で、ヒートデフレクターも置いた状態。 右の写真は二次燃焼ボックス下部の二次燃焼空気の流路だね。

バックパネルとボトムとサイドパネルをセメントで接着しながら、二次燃焼ボックスとダンパーユニットを組込んでボルトで固定。

ダンパーユニットの左側はダンパーハンドルの軸と矢印の部分でサイドパネルに載る形で固定されるのだ。 右側は矢印の先に見えるボルトだけで固定となるから、バックパネルを抑えながらの結構なハード作業だし、このボルト一本にダンパーの荷重がかかることになるから、チョット不安でもあるかな。 このボルトはダンパーユニット本体にネジが切ってあるから、折れやすさの原因もその辺りにあるかも知れないね。

コレがその問題? のボルト!

ウィークポイントの1つかもね。 せめてバックパネルと共用でなければ良いのだけれど・・・
組込んだ後にはダンパーユニットとバックパネルとの間に隙間が出来るから、ここに右写真のように耐火セメントを充填してやるのだ。
最初にダンパーユニットを外した時に崩れ落ちた大量のセメントはこの部分のセメントだと思う。

トップ(天板)のガスケット化
本体と天板の合わせ目にはセメントが入る溝があるから、ガスケット(1/2)を貼るのに丁度良いのだ。 幅も溝の高さもガスケットが貼り易いサイズで、これは幸い、とてもありがたかったよ。
セメント手順は上述のバックプレートのガスケット化と同じなので割愛するけど、とにかく接着面はキレイにしなければならない。

左写真は天板と本体サイドパネルを固定するナットネジだね。 右写真のガスケットが切れている部分がフロント側の固定ネジ穴の部分で、ここはぴったり合わさる構造みたいで、もともとセメントも殆ど入らない所だけど、ガスケットが途切れたままだと気密性を損ねそうな気がするから、下写真のように本体側のネジ穴に支障がない位置に、ダブルでガスケットを貼ってみた。

無いよりはマシだろう(笑)

天板を載せて少し持上げてみると、トップの正面はこんな感じ・・・

トップを載せてみるとサイドパネル側はこんな感じでピッタンコ!

正面のネジを嵌める。

左右のボルトをラチェットで適正トルク? で締め付ける。 とは言っても初めての試みだし規定のトルクなんてものは無いのだ。 だからトルクレンチは必要ない、適正トルクはボクの何となくの気ままトルクだね(笑)
暫くしてガスケットがサイドパネルの凸部となじんできたら、再チェックして増し締めしてやればOK!

下からトップのジョイントを覗き込むと、1/2ガスケットが良い感じで噛んでいるのが見えるフロントとサイドの写真。

トップのガスケット化で一番気になっていたのがこの部分で、バックパネルのサイドパネル寄りのところ両端が少し凹んでいたんだけれど、内部から覗いてみる限り多分大丈夫かな。 最悪漏れたとしても今度は簡単にトップが外せる訳だから、ちょいと改良してやれば良いだけだ。

二次燃焼ボックスが消耗品だと気付いたボクは、4年目を前に一大決心の交換を決意、ついでだからとダンパーユニットまで交換してしまおうかということで始まった今回の分解メンテのリペアだった。 作業を進めていくうちに今まで図解と想像でしか知り得なかった構造、空気の流れなどが直接見て取れ、手に触れることが出来て実感としての構造を自分のものとすることが出来た。 このことは、これから先アンコールとともに幾度の冬を迎えるボクとしてはとても有意義なことなのだ。

同じコンバスター機のダッチウエストやヨーロッパ系のヨツールやモルソーあたりの同等出力機種と比べると、アンコールは30キロ程度軽量なこともあって、どことなく華奢なイメージがボクにはあった。 良く言えば繊細でマニアック、だけどそれ故にコンディションに左右されやすいという欠点? を持ち合わせている薪ストーブだと思うのだ。

バーモントキャスティングスの触媒機は、最初から導入を考慮した設計のダッチウエストのそれとは違って、触媒搭載が後付設計なため、本体の後方に二次燃焼室を無理矢理取付けた感は否めない。 このことが時に災いすることになるのだ。
バーモント社独自の水平燃焼システムは投入された薪を手前下から順に燃焼させていくというもので、これはこれで理にかなっているものの、最初からこのことを目的として設計というか、特別工夫された燃焼システムという訳ではなくて、後付触媒設計だったから生まれた必然だったのではないかなとボクは思う。

触媒機はクリーンバーン機よりも維持費も含めてメンテナンスが大変だと良く言われる。 しかしこれはある意味誤解だとボクは思っている。 消耗交換パーツのコンバスターは数年に1度の出費にとどまり、1年当たりのそのコストは、クリーンバーン機との燃費差による 薪の消費の比 (薪の購入コスト差に勘案) じゃないし、このパーツの交換そのものは比較的簡単な作業だ。
では何故そんな噂がまかり通って一人歩きをしてしまったのだろうか?

バーモントキャスティングスのキャタリティックコンバスター搭載機のファンは多いに違いない。 大型のデファイアント、中型のアンコール、そしてシリーズで一番小型のイントレビットUと、販売台数は相当な数だと思う。

人気の秘密は恐らくは日本人好みの洗練されたオシャレなデザインと、上から薪が投入できるトップローディングやそれに伴うクックトップの熱量的実用性、ウォーミングシェルフやファイヤースクリーン、外気導入システムの選択肢、オプションやアクセサリーなどの充実度が他のメーカーの薪ストーブより抜きん出ているからじゃないかなとボクは思う訳だ。

そして何より、キャタリティックコンバスターの導入による燃焼効率の良さは、バーモントキャスティングスの薪ストーブの最大の魅力だと思う。 もしかつてのダッチウエストとのM&Aがなかったら、触媒技術の導入がなされなかったら、アンコールは果たして、デザインや使い勝手の優位性だけで、ここまでのセールス実績を残せただろうか?
もしかすると、少なくともボクは購入しなかっただろうと思う。 ダッチウエストのコンバスター機を買っていたかも知れないし、別のクリーンバーン機を買っていたかも知れないね。

ダッチウエストのFAシリーズとバーモントキャスティングスの触媒技術は同じでも、デザインや使い勝手は好みの問題こそあれ明らかに違っているし、二次燃焼の本体構造もまるで違うものだったりする。 この2社(実際には1社)のコンバスター機を比べた時、少なくともボクの好みではデザインやその他の機能で、最初の選択ならバーモントをチョイスしてしまうだろう。

一般的に言って、薪ストーブは何度も購入するものではないと思う。 大抵の場合、1度買ったら長く付き合う類の設備というか器具なのだ。 トータル的に気に入った薪ストーブを誰もが焚きたいのだ。

初心者が薪ストーブをセレクトする時、メンテナンス性のことまで考慮して選択しているだろうか? そんなケースは殆ど無いだろうね。 実際ボクもそうだった。 個々のストーブのメンテナンス性能は、それを使用するユーザーにとって、とても重要なファクターになるはずなのに、その辺りのことを語られることは非常に少ない、というか、殆ど無いだろうね。

ボクは今回、本格的なアンコールのメンテナンスを初めてやってみたけど、それはとても大変な作業だった。 上述のコンバスター機の誤解の答えはここにあるのではないかなと思う訳だ。 ボクが言葉に表していない行間のイメージは、あくまでもボク個人の考察として捉えて読んでいただければと思う。

もしあなたが現在のアンコールユーザーなら、ボクの書いたメンテナンスやカスタマイズレポートをぜひ参考にしてください。
そして、更にステキなアンコールライフを充実して欲しいと願っています。

もしあなたが未来のアンコールユーザーなら、一長一短考慮してセレクトして欲しい、アンコールの全てを許容して愛しんでください。
そしていつか、このレポートがあなたのお役に立てれば幸いです。

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